「どっかで見たツラだと思ったら
その会社から帰って行った冷めた女だったってわけよ。
いやー、あれはおもしろかったわ。
変な運命ってあんだな。」


「は・・・・・?え?
ウソでしょ?」


「だから、何でウソ言わねぇといけねぇんだよ?」


「だ、だって・・・
そんな事・・・一言も・・」


「言う必要ねぇじゃん?」


「それはそうだけど・・・」


「まぁ、金に無頓着な
冷めた女の正体ってのに興味もあったってのが本当のとこだけど。」


「何か・・・
知らなかったの私だけみたいで
納得いかない・・・」


「ははは、そうむくれんなよ。
見知らぬ男の家に転がり込んできた冷めた女だとばかり思ってたら
その男が帰ってきたら、うれしそうにツラ出すし
犬コロみたいで可愛かったしな」


犬コロって・・・

何か、さっきから
褒められてんのか
バカにされてんのか
分かんないんだけど。



「まぁ・・・・
300万は痛い出費だったけど
それで希と会えたって思えば
安いもんかもしれねぇしな」



やばい。

何か、すごくうれしい・・・。



って・・・・


あれ?おかしくない?