「そんなわけ・・・・」


「だいたい、お父さんと
ババアが出会ったのだって
偶然なのか怪しいもんだしね?」


「・・・・・・・」


「変な言いがかりを
つけないでちょうだい!」


「普通に考えて
お父さんを元旦那と間違えて
声かけるはずないじゃんよ?
やよいちゃんってさー
伸治と同じ中学だったよね?」


「・・・・・・・・」


「でも、こいつ
学校すら まともに行ってない
ボンクラだったから
伸治が面識ないのは分かるけど
やよいちゃんは?
私が知る限り
ほとんどの生徒が
こいつの事知ってたはずなんだよね」


「ボンクラって
さすがに俺も傷つくぞ?」


「うーるさいっの!
問題ばっか起こして
お父さんの代わりに
何十回私が迎えに行ったと思ってんのよ?」


「あーはいはい。
ボンクラで十分っス・・・」


2人の会話だけが響き
やよいさんは、うつむき
黙ったままだ。



「・・・・・・・・」



「あー、面倒臭い。
もう、変な言い回しは
やめる。
はっきり言うわ。
やよいちゃんって
理沙って子とつるんでたでしょ?
その理沙って子ね、
最近、私の働いてる店に入ってきてね。
いやーもう、ベラベラしゃべってくれて。
やよいちゃんって、伸治の事大好きで
家族構成からたまり場から、すごい熱心に
調べてたんでしょ?
周りが、さすがにヤバイんじゃないかって心配になるほどだったってね?
んで、ババアは飲み屋で雇われママしてて
銭欲ババアだったって?
考えてみたら、ババアとお父さんが知り合った頃は
お父さん、結構会社もうまくいってて
羽振り良かったんだよね。
あんた達、親子で仕組んだ上で
お父さんと再婚にこぎつけたんじゃないの?」



「な、なっ!?バカな事を・・・
そんな事できるわけないじゃないのよ!」


継母が声を荒げて
楓さんの方に体を向け
怒鳴っているけれど

やよいさんは、
顔を上げようとしない。