「希・・・?」


「え?」


「どうした?」


「ううん、どうもしないよ」


もし、昔から好きだったのなら・・・


そう考えると

私は・・・・



「俺が選んだのは
希だからな。
変な事考えんなよ」



そう言いながら
片手で私の体を引き寄せ
軽く抱きしめると



「たぶん、
すっげー面倒な事になっけど・・・
俺が全部するし・・・
変な事考えて逃げんなよ?
まぁ、逃げても追っかけて捕まえるけど」


そんな事を言いながら笑い
私の背中を軽く叩いている。

黒崎伸治の胸に顔を埋めながら

自分自身への罪悪感、嫌悪感

いろんな感情が入り混じってしまってるけれど


やっぱり、それよりも

私は、この・・・黒崎伸治が好きで

手離すことができなくて・・・

自ら身を引くなんて


・・・できないんだ。