「それがどうした?」


「え?あ、ううん・・・
ただ・・・目立つような先輩って
結構、隠れファンっているから
その・・・やよいさんも
もしかしたら、そうだったのかなって」



「ははは、んなわけねぇだろ。
希の言う隠れファンとかいうやつだとしても
そう都合よく再婚相手の連れ子には 
なんねぇだろうしな」



そうだけど・・・・

もし、その・・・都合の良い偶然があったとしたら

私なら・・・

それを利用して

少しでも近い存在になるように
考えると思う・・・


考えて・・・



めったに帰って来ない
黒崎伸治が帰ってきたら
部屋に・・会いに行くと思う・・・


誰だか気づかれなかったら

それを、また

利用すると思う・・・


もし、そこで拒絶されたら

再婚相手の娘ですって
挨拶に来ましたって・・・


その言葉で逃げれるから・・・。



もしかしたら

やよいさんは

昔から・・・黒崎伸治が好きだったんじゃないかって・・・


そんな事を
考えてしまう。