「・・・ったく、
俺よりガキじゃねぇか」


そう言いながら
私の体を引き寄せ
片手で
背中をポンポンと優しく叩きながら
もう片手で頭を撫でてくれている。



電話を切って、
すぐ来てくれた事が
何よりうれしくて
思わず、しがみつくように
両手を背中に伸ばした。


「何があったか知らねぇけど
俺にまで意地張んなくても
ちゃんと受け止めてやっから」



耳元で聞こえる
その言葉が
不思議と、すんなりと入ってきて



「私の前から・・
いなくならないで・・・」


子供のようにしがみつき
本音が出てしまっている。



「あぁ、いなくなるわけねぇだろうが」



少し笑ったような声で
そんな言葉が聞こえ

私が手を離すまで
ずっと、慰めるように
抱きしめてくれていた。