そのまま、テレビを
ただ眺めたまま時間は過ぎ

1時間ほど経った頃


彼女の甲高い声が
遠くから聞こえてきた。


「鍵は?」

「ここ持ってるよ」

「早く出せよ」

「待ってよ~
あったあった、はい」



鍵を開ける音がし、

扉が閉まる音がする。


そして、


部屋同士が
壁一枚なのか・・・


「お風呂入る?」


テレビをつけていても
うっすらと聞こえてくる声・・・


という事は・・・
テレビの音も
隣の部屋に聞こえてるわけで・・・


とっさにテレビを消した。


けれど・・・・


「一緒に入ろ?」


「入らねぇよ」


「何で・・・・?」


「あーもう、入ればいいんだろ、入れば」


「じゃ、一緒にいこっ」


聞きたくないのに

聞き耳を立てるように
聞いてしまってる私は・・・


もう、弁解の余地はないほど

隣の部屋での出来事が、会話が
気になっている証拠だ。