アパートが見え始め、

大きく深呼吸をしながら
呼吸を整えると


「もう・・着くよ」


「あぁ、分かった。
じゃあ
隣ん部屋の方に入って来い」


「分かった。」


胸が高鳴り
鼓動が早くなっていく。


言われたように
隣の部屋の扉に手をかけ
ゆっくりと中へ入ると


「何、突っ立てんだよ?
さっさと中入って来い」


部屋の方から顔を出し
玄関に立っている私に
そう言うと
また顔を部屋に引っ込めた。



「お邪魔します・・・」


なぜか忍び足で
廊下を歩いてしまってる私は
一体何なんだと自分で思ってしまうけれど

きっと、

変に緊張してしまっているせいだろう。


部屋に入ると、

小さなこたつが真ん中に置かれ
テレビも設置されて
布団さえも
端っこに畳まれて置かれている。