そして、再び・・・

黒崎伸治の携帯は鳴り始め・・・


「何だよ?
は?だから、遅くなるって
言ってんだろうが。
あー・・もう、何で泣くんだよ・・
怒ってねぇって・・あぁ・・・
分かったから。
帰ってくればいいんだろ・・」


電話を切り
大きなため息をつくと、




「帰るか・・・・」


「うん・・・」



うん、としか言えない。


本当は、まだ一緒にいたい。


でも、私は彼女でも何でもないから・・


ワガママなんて言える立場じゃないから・・



車に乗ると、



「今、どこら辺に住んでんだ?
送ってく。」


そう言われ・・・


説明できるほど
道に詳しくない私は


「あ、大丈夫・・・・
あのアパートから近いから
歩いて帰れる」


せっかく、少しでも長く一緒にいれる機会を自ら失ってしまうという
この状況に
悔しくて、唇を噛み締めた。