「うちに何か用ですか・・?」


どうやら・・・
彼女は
私の事を覚えてないらしく
怪しい人を見るかのような目で見ながら
私に問いかけている。


「あ、いえ・・・その・・・」


おかげで、私は
いつも以上に挙動不審となり
ますます怪しくい人物になっているという悪循環・・・。


「セールスか何かですか・・・?」


ヤバイ。完全に怪しまれてる。


「いえ・・・しん、」


と、途中まで言った所で


「どうした?」



黒崎伸治が、ようやく
奥の部屋から出てきた。


そして、私の顔を見ると


「やっと来たか・・・
ちょっと、出てくる」


「え?しんちゃん・・?
その人・・・誰・・?」


「お前が押しかけてきたせいで
追い出された奴くらい
覚えとけよ・・・・」


「え・・・・?
そんな言い方・・・」


泣きそうな顔をして
黒崎伸治の裾を小さく掴んで離そうとしない彼女・・・。


「出てくるって聞こえなかったのか?」


「聞いたけど・・・・
しんちゃん・・
何か怒ってるもん。っ・・」



・・・泣いちゃった。