「あ・・・っ、そうだった。」


何かを思い出したように
楓さんが私の顔を見た。


「居候ちゃんって
伸治と連絡とってないの?」


「連絡・・・?」


「電話とか」


「いえ・・・」


そもそも、番号自体知らないから
連絡のとりようもないし・・。


「今朝、居候ちゃんの番号聞いてないかって
伸治から電話きたんだよね。
で、私も居候ちゃんの番号とか知らないじゃん?
だから、知るわけないじゃんって言ったら
マジ役立たず・・・とか言って
電話切りやがってさー
何で私が、伸治にブチキレられなきゃいけないのよって思わない?
思い出しただけでムカツク~!」



私の番号・・・?

聞いてた・・?黒崎伸治が?



「え?あの・・・
私に
何か用事があったのでしょうか・・?」


「さぁ・・?
あぁ、ちょうどいいから
電話してみるわ。
ちょっと待って」


そう言うと、
携帯を取り出し


「伸治?今、電話平気?
ん?いや・・急用っていうか・・
あんた何そんな不機嫌なわけ?
あーはいはい、じゃあ、用件だけ言うわ。
居候ちゃんが今、隣にいるんだけど
あんた用事あるんじゃないの?
代わろうか?
何で隣にいるかって聞かれても
そんなのどうでもいいじゃん。
話すの?話さないの?
あーはいはい、じゃあ代わる」

面倒臭そうな表情を浮かべ


小声で

""機嫌悪いから気をつけて""

と私に言いながら
携帯を渡すけれど

気をつけるも何も
どうしようもないわけで・・・