―――


―――――





走って走って、ようやく看護師に追いついた。






看護師が、足を止めたその場所は。








「ここ…救急救命センター…?」







医療系のドラマで見たことある。

大きな病院の中にある、救急救命センター。



そこはやっぱり、救急車で重体の患者が運び込まれてくる場所だった。





例えば……突然、倒れた人とか。






今はまだ誰も運び込まれていなくて、辺り一面、静かである。








看護師があんなに真っ青になるぐらいの人が


今から運び込まれてくるのか。





身内とか、そんなんだろうか。






なぜだか……気になる。










救急救命センターと書かれた窓口から、看護師は静かに入っていった。





それを確認した後、こっちも静かにその窓口に近づく。




足音を立てずに……ゆっくりと……近づいていると……









「―――ケーゴっ!」


「――っ!?う、内山先生……っ!」






いつの間に。


俺の背後には、しっかりと、あの大嫌いな先生が、腕を組んで立っていた。




仁王立ち。ムカつく。





よりによってこんなやつにバレるなんて……っ!







「何でお前がここに?レントゲンは?」


「あ……看護師が、気になって……」


「は?お前、看護師のケツ追い掛け回すのが趣味なのか?」


「違ぇよ!何か―――」