ほっといてよ。
誰もあたしを見ないでよ。
独りぼっちのあたしなんて、価値のない人間だ。
病気を抱えているあたしなんて、意味のない人間だ。
みんなみんな……大っ嫌いだ。
あたしはいつの間にか、部屋を勢いよく飛び出し、玄関で靴を履いていた。
「ちょっと……っ!ルイ!?待ちなさい!」
「何、ママ……」
「どこ行くの!それに、走っちゃダメだって、何度も言ってるでしょ!?走らないだけで、ルイの寿命はもっともっと伸びるの!分かるでしょ、ルイ!」
……ほら、また病気のこと。
そういうのがウザイって言ってんの。
わからないよ、ママ。
もうあたし……わからない。
「どうでもいい!じゃあね!」
「ルイ!待ちなさ―――」
―――バタンッ!

