集中して臨んだ授業の時間は早く感じて、待ちに待った放課後になった。
第一資料室っていう、今は空き教室になってる教室で、秘密の作戦会議だ。
机も椅子もあるし、なにより人が全然来ないから、内緒話をするのにうってつけなんだよね。
「ところで、亜希。実は今まで地味に気になっていたんだが」
純子が神妙な面持ちで切り出した。
「ん? なーに?」
「亜希が今まで先輩とやらにアピールをしなかったのは、女子のイジメがこわい、というのだけが理由か?」
そう言われて、ちょっとだけドキっとした。
たしかに、女子の嫉妬はこわい。
そこから陰湿ないじめにだって、いくらでもつながる。
でも、私が先輩に近づく勇気が出ない1番の理由は、そんなことじゃない。
「どうなんだ?」
優しい声色で純子が聞いた。
うん、なんか、今なら言える気がする。



