体育館12:25~私のみる景色~


 集中して臨んだ授業の時間は早く感じて、待ちに待った放課後になった。


 第一資料室っていう、今は空き教室になってる教室で、秘密の作戦会議だ。


 机も椅子もあるし、なにより人が全然来ないから、内緒話をするのにうってつけなんだよね。


「ところで、亜希。実は今まで地味に気になっていたんだが」


 純子が神妙な面持ちで切り出した。


「ん? なーに?」


「亜希が今まで先輩とやらにアピールをしなかったのは、女子のイジメがこわい、というのだけが理由か?」


 そう言われて、ちょっとだけドキっとした。


 たしかに、女子の嫉妬はこわい。


 そこから陰湿ないじめにだって、いくらでもつながる。


 でも、私が先輩に近づく勇気が出ない1番の理由は、そんなことじゃない。


「どうなんだ?」


 優しい声色で純子が聞いた。


 うん、なんか、今なら言える気がする。