体育館12:25~私のみる景色~


 ――――――すべては、偶然から生まれたことだった。


 あの雨の日、佐伯先輩を見たこと。


 バスケをしている先輩に一目ぼれしたこと。


 そして、お弁当を落としたあの日に、繋がりができた。


 それからの出来事も偶然で、運命で、必然で。


 佐伯先輩に好きだと言ってもらえたことは、奇跡で。


 私の恋の始まりは、ここ。


 体育館の時計は12時25分を指している。


 すべては佐伯先輩に恋をしたこの場所から始まった。


 そしてまた、新しい関係も、ここから始まる。


 片想いが始まったあの日からずっと佐伯先輩が大好きで。


 そして、両想いになった今日から、これからずっとこの先も。


 私のみる景色には、大好きでしかたのない佐伯先輩が映り続けるんだ―――。


 ……あの花、『リコリス』。


 それが何を意味するのかを知るのは、数分先のこと。




【END】