私はたまらず、その大きな胸に飛びついた。
「さ、えきせんぱいっ! す、好きです……っ。大好きですっ! それと、あの、いろいろ迷惑かけてごめんなさいっ。いっぱい助けてくれて、ありがとうございました。それからっ、卒業おめでとございます……っ」
「ふはっ。俺も、好きだよ。こっちこそ、たくさんごめん。ありがとう」
しゃくりあげながら泣く私を、佐伯先輩は抱きしめてくれた。
あったかい。
嬉しい、嬉しいよ……っ。
叶わないと思ってた、私の片想い。
届いた、届いたんだ……!
「そうだ、宮下さん。これ、貰ってくれる?」
そういって差し出された先輩の手の上にちょこんとのっかっていたのは、制服のボタン。
先輩のブレザーを見ると、第2ボタンのあった位置にだけそれがついていなくて。
「第2ボタンだよ」
そう言って私の手にそれをのせてくれた。
優しいそのしぐさに、私はまた大泣きした。
「それにしても、ほんとあの頃から変わんないな。そうやって泣くところ」
「へ……?」
そういえばさっき、佐伯先輩、ずっと好きだったって。
それに、あの頃って、いつ……?
先輩の顔を見上げて首を傾げると、彼は「秘密。でも、あの花だけが知ってるんじゃない?」なんて、いたずらに微笑んだ。



