体育館12:25~私のみる景色~


 それに、今の言い方ってまるで。


 なんていうのかな、それって佐伯先輩が私を……。


 いやいや、うぬぼれちゃだめだよね。


 結果的に傷つくのは私なんだから。


「……違うよな。宮下さんは俺のじゃないし、とられるって言い方は違うってわかってる。ほんと、今更だってのはわかってるけど。もし、宮下さんの気持ちが、あの電話した時から変わってないなら……」


 そこまで言って、言葉を区切った佐伯先輩。


 茶色くて透き通る瞳が、私を見てる。


 ちょっと待って。


 佐伯先輩は何を言ってるの?


 その言葉の続きは……。


「宮下さんのこと、ずっと好きだった。まだ、あの時の告白が有効なら。俺と付き合って。……俺だけのものになって」


 聞いた瞬間、涙が頬を滑り落ちた。


 期待していなかった言葉。


 だけど、もしかしたらと思っていた言葉。


 私がほしかった言葉を、佐伯先輩がくれた……。