「亜希も変わったんだね」
「ふふ、そうだよ?」
変われたのは、みんなのおかげでもあるから。
ありがとうって意味を込めて、笑いかけた。
『これより、卒業式を行います』
そんな声が響き、ざわざわとしていた体育館が一瞬で静寂に包まれた。
ああ、いよいよこの時が来た。
先輩の、卒業式……。
『卒業生、入場』の声とともに入場曲が流れ出し、拍手の音がこだました。
私も一生懸命、拍手を送った。
次々と歩いてくる先輩たち。
ミナミ先輩、慶ちゃん先輩、それからサエさんの姿ももちろんそこにあった。
そして、佐伯先輩の姿も。
学校で佐伯先輩を見るのは、今日この瞬間で最後になる。
目に焼き付けるように、遠くなっていく後姿を見つめ続けた。



