体育館12:25~私のみる景色~


 そういえば、花にはそれぞれ花言葉があるって、慶ちゃん先輩が言ってたな。


 赤いゼラニウム……。


 君ありて幸せ、だったね。


 ほかにも意味がたくさんあるって言ってた。

 
 佐伯先輩がどんな意味で渡したのか、それとも深い意味はないのか。


 考えた分だけ怖くなって、ほかの意味を調べることもしなかった。


 そもそも、佐伯先輩が花言葉なんて知っているのかすら疑問だけど。


「あの時、俺が佐伯センパイにすすめられて買った花のことも、覚えてる?」


 そう言われて、記憶をたどる。


 確か、あのお花は……。


「ば、バーベナ? だったかな。当たってる?」


「そう、バーベナ」


 みーくんはうつむいて、微かに笑った。


「……亜希。佐伯センパイは、ちゃんと知ってるよ」


「何を?」


「花の、持つ意味」


 心臓が、どくんと大きく脈打った。


「なんで、みーくんにそんなことがわかるの……?」


 どんどん早くなっていく心臓の音。


 みーくんは、何か知ってるっていうの?