体育館12:25~私のみる景色~


 結局、自己満足だけどね。


 話し終わってみんなを見ると、複雑そうな顔をしながらも「亜希が決めたことなら」って頷いてくれた。


「……亜希。あたしは亜希が決めたことに文句を言うつもりはないよ。でもね、ひとつだけ、ヒントをあげておくわ」


 そう言うと凉はにこりと笑った。


「ねえ。どうして“どうでもいい”ことのはずなのに、佐伯先輩はそんなに感情を乱したんだろうね?」


「……え」


 凉が言ったその言葉は、私の心に引っかかっていたことそのものだった。


「あたしからは、それ以外言えることなんてないし。手助けするって言っても、佐伯先輩の状態を聞く限り、誰の話にも耳を貸しそうにないってことはわかってる。何もできなくて悔しいけど……」


 凉は私を抱きしめ、耳元でささやいた。


「あたしは、亜希を信じてるよ」


 その言葉は私には「まだ諦めるな」、そんなふうに聞こえた。


 それからは、みんなでいろいろな話をして。


 くだらなくて楽しい、そんな時間を過ごした。


 ほっぺが筋肉痛になっちゃうんじゃないかってくらいに、久しぶりに笑った。


 遅くなったけど、新年のあいさつも交わして。


 何もかもが元通りになったけど、前よりも心が成長したような気がした。


 気が付けば日は暮れて、凉たちが帰ろうかと立ち上がった。