体育館12:25~私のみる景色~


 もやもやと私の心を覆っているそれが晴れたら、みんながわかっているのに私が知らないことの答えに、たどり着くことができるような予感がする。


 ……それがわかったところで、佐伯先輩にフラれたこと、嫌われてしまったことは変えようのない事実だけど。


 でも、それでも好きだから。


 私は、自分にできることをして、知らないことをひとつでも多くわかりたい。


「亜希はさ、これからどうしたいと思ってる?」


 そんなことを思っていると、ふいにみーくんから問われた。


 どうしたいって、そんなの、決まってるよ。


 私は、佐伯先輩を好きでいたい。


 もう、会えなくても。


 軽蔑されていても。


 慶ちゃん先輩との誤解が解けなくても。


 許されなくても、好きでいたいよ。


 私を好きになってほしいなんて、言えない。


 お礼を言いたいだとか、気持ちを伝えたいだとか、そんな自分本位なことはもう言わないから。


 好きでいさせてほしいよ……。


 いつか、佐伯先輩をちゃんと諦めきれるようになるまで。


 終わりが来るのかわからない恋だけど。


 想うことだけは、許してほしい。


「……それが、亜希の答えね? 要するに、好きでいるのを止める気はないって理解するけど、いい?」


 ……そういうことに、なるのかな。


 そもそも、無理矢理にでも忘れることができるなら、私はこんなに苦しくなかった。


 それができないから、ツラくて、痛くて、あんなに泣いたんだよ。


 私は凉の言葉に、しっかりと頷いた。