体育館12:25~私のみる景色~


「……とりあえず、亜希は無事だったことだし。思ったよりも元気そうでよかった」


 凉たちは口々にそう言い、安心したように笑った。


 ……元気が出たのは、みんなが来てくれたおかげなんだけどね。


「さてと、話は聞いたし状況は分かった。ややこしいことに変わりないけど、いろいろ単純よね」


「確かになあ。鈍感な亜希には、さっぱりみたいだけど。佐伯センパイも案外普通の男だったってことだよなあ」


「……どういうこと?」


 みーくんの言うとおり、ちっともわかっていないのは私だけみたいで、千夏や純子にも憐れむような目を向けられた。


 うん、ちょっと傷つく。


「あー、全部言っちゃいたいけど。それでも連絡取れないんじゃ意味ないし。ていうか、言ったらあたしが危険だし!」


「こればっかりは、亜希がもう少し敏感になる必要があるっていうかあ~。 ね? 純子~」


「ああ、そうだな」


 そんなこと言われても。


 わからないものはわからないんだから、仕方ないよね。


 でも、実は。


 少しだけ引っかかっていることがあったりする。


 それは本当に些細なことで。


 だけど、なぜか大事なことのような。


 そんな気がする、ちっぽけな疑問。