体育館12:25~私のみる景色~


 あの時、『何とかするから』と言って佐伯先輩を追いかけて行った慶ちゃん先輩からも、一度も連絡はないままで。


 2人の仲までも、私が壊したのかと思うとやるせなくなる。


 その繰り返しに、何度もため息をついた。


 あと3日で学校も始まるけど、それまでに吹っ切るのは無理そうだ。


 それに、休み明けからは3年生はほとんど学校に来なくなる。


 ……佐伯先輩の姿を探そうとしても、見つからない。


 そんな毎日がやってくるんだ。


 また無性に苦しくなって、布団の中にもぐりこんで丸まった。


 その時、部屋のドアが開く音がした。


 お母さんかな……?


 何も言いはしないけど、ここ数日私のことを心配そうに見ていたから。


「お母さん? ごめんね、心配かけて……」


 布団の中で話しているから、聞こえてるのかはわからない。


 その足音は、ベッドのすぐ近くまで迫ってきた。


「……あーきちゃん? 心配かけてるってわかってるなら、今すぐそこから出なさーい」


「えっ?」


 聞こえてきたその声にびっくりした。


 お母さんだと思っていたのに、違った。


 なんで、私の部屋にいるの?


 びっくりして飛び起きると、ベッドの近くに立っている人の姿があらわになった。