「あーくそっ。俺のせいだな……。亜希、何とかするから心配すんな」
今にも泣きだしそうな私にそう言い、慶ちゃん先輩は慌てた様子で佐伯先輩を追いかけて行った。
きっと、私や慶ちゃん先輩が何か言ったところで信じてくれないだろうな。
それに、佐伯先輩は私のことを“どうでもいい”って思っているんだから。
誤解を解いたところで何が変わるってわけじゃないよ……。
佐伯先輩に好かれていなくとも、嫌われてはないんだって前向きに考えてきたけど、『嫌い』よりもっと苦しかった『無関心』ととれるあの言葉。
調子に乗った自分がバカみたい。
それに、慶ちゃん先輩にはひどいことをしてしまった。
悪いのは慶ちゃん先輩じゃないのに。
誰も悪くなんかないのにね。
私が勝手に佐伯先輩を好きなだけで、ただ、それだけで……。
残されたのは私一人。
がくがくと震えていた脚はもう限界で。
「佐伯、先輩っ……」
佐伯先輩を追いかけることもできなかった私は一人、崩れ落ちて泣くことしかできなかった。



