メールを受信すると震えるバイブレーションを、最近は心待ちにしている。
もしかしたら佐伯先輩かも、って思ってドキドキしながらメールを開いたりして。
期待が外れてそのメールが慶ちゃん先輩とかだと、がっかりしちゃうんだけど。
なんて慶ちゃん先輩に言ったら確実に殴られる。
それに、たまにみーくんからもいたずらメールが届く。
それは決まって『佐伯先輩だと思った?』って冷やかし交じりのメール。
私が佐伯先輩とメールしてるって知ってから、そんなのばっかり送ってくる。
だから、思いがけず佐伯先輩からのメールが来たときには嬉しさが倍増するんだけどね!
返事、早く来ないかなあー。
「……ねえ、あれ佐伯先輩じゃない?」
「え?」
凉が指をさす先には、一軒の喫茶店。
その近くに、確かに佐伯先輩が立っていた。
だけど、彼は一人じゃなくて、40代後半くらいの女の人と何か話しているみたいだった。
思わず凉と一緒に立ち止まって、佐伯先輩の方を見つめてしまう。
「なんかもめてるみたいだけど」
うん、それ思った。
頷いて同調すると、凉に近くの柱の陰まで引っ張られた。



