佐伯先輩は驚いたように目を見開き、そのあと目を細めた。
え、笑ってる……?
そう思った時にふわりと頭の上に暖かい何かが乗っかって、ポンポンと優しくなでられた。
それが佐伯先輩の手だって気づいたのは、「勝手に亜希に触ってんじゃねえよ! このドスケベ!」って慶ちゃん先輩が佐伯先輩の腕を引き離してからだった。
あ、頭なでられちゃった。
嬉しいけど、ちょっぴり恥ずかしい。
なんだろう、こんなにいいこと尽くしでいいのかな?
佐伯先輩を見上げると、さっきの微笑みが嘘だったかのように無表情で、慶ちゃん先輩の怒鳴り声を無視していた。
2人のやり取りを見て、うらやましいなあって思う。
本当に仲が良くて、私も佐伯先輩と同じ男の子だったらこんなふうに毎日一緒にいられたのかなあなんて思っちゃう。
佐伯先輩は、気づいてるんだろうか。
慶ちゃん先輩の好意に。
……私の気持ちには、少しは気が付いてくれているのかな?
……あぁ、やっぱり私、佐伯先輩が大好きだなあ。
飽きもせず同じような言い合いを繰り返す2人を見て、こんな光景を見られるのはあと何回なんだろうなって考えて、心臓がぎゅっと痛くなった。



