体育館12:25~私のみる景色~


 先に声をかけてきてくれたのは慶ちゃん先輩なのに、佐伯先輩を先に視界に捕えてしまうあたり、私は相当重症だ。


 それにしても、なんで佐伯先輩までこの時間?


 疑問に思いつつ、「おはようございます」とだけ返した。


「そこ、座ってもいい?」


「ど、どうぞそうぞ!」


 佐伯先輩にそう返すと、2人は目の前の席に腰を下ろした。


「亜希も寝坊したんだな」


 やっぱりな、とちょっと見下したように言ってくる慶ちゃん先輩にムッとする。


 そういう自分だって、寝坊したくせにっ!


「そういえば、佐伯先輩も寝坊ですか?」


 偉そうな態度の慶ちゃん先輩をスルーして、さっき不思議に思ったことを聞いてみた。


 佐伯先輩が遅刻って珍しいし。


 それに、成績とか受験に響かないのかなって心配になったから。


「あぁ。こいつから夜中に電話かかってきて朝方まで話聞かされてたから、この通り」


「そうなんですか」


 慶ちゃん先輩をじろっと睨んで、「佐伯先輩を巻き込むなよ!」って威嚇。


 慶ちゃん先輩は受験しないからいいのかもだけど、佐伯先輩は受験控えてるんだからねっ!