体育館12:25~私のみる景色~


 体育祭のリーダーをやってた時は毎日のように顔を合わせて、必要最低限のことだけど会話できたりしてたし。


 それが終わってからは関わりも少なくなって、なんだか寂しかった。


「うんうんっ! やっぱりそうだよねえ~」


「にしても、中原先輩が不憫過ぎる……っ」


「ということは、やはり藤村という先輩をどうにかしないといけないのか?」


 千夏は目をキラキラと輝かせて乙女な表情をするけど、凉は慶ちゃん先輩に憐みの言葉を言ってるし、真剣に考えてるのは純子だけっぽい?


「どうしたらいいんだろう……」


 小さな声で呟いたつもりだったのにみんなには聞こえたみたいで、一瞬の静寂が流れた。


 少しの間の後、凉が口を開いた。


「どうするもこうするも、したいようにすればいいんじゃないの?」


「でっ、でも! サエさんのことだってあるし、佐伯先輩と慶ちゃん先輩には暗黙のルールとかあるしっ」


 もごもごと口ごもる私に、凉は口をへの字に曲げながら鋭い目を向けた。


「亜希はいろいろ言ってること矛盾し過ぎ! とりあえず、自分がどうしたいのか、やってみたらどう? そうやって理由つけて、結局は逃げてるだけなんじゃないの?」


 凉に言われてハッとした。


 逃げて楽な方に行こうとしてた。


 そんなんで、気持なんか伝えられるはずないのに。