体育館12:25~私のみる景色~


 少しくらい痛い目にあったって、それもきっと先輩たちが卒業するまでの残り数か月だけだもん。


 残りの時間、ちょっとでも佐伯先輩のことを見ていたいし、私のことを見てもらいたい。


 今まで努力しないで逃げてきたけど、ここで弱気になっちゃだめだよね。


 挑むつもりでサエさんをじっと見つめると、彼女は舌打ちをして顔を怒りで歪ませた。


「なに、アンタ。まさかあいつらのこと好きとか言わないよね?」


「す、好きです……っ! だから、関わらないとかできません!」


 そう言うと、サエさんはさっきよりも目をつり上げた。


「アンタ、まじでうざいね。なんなの? ほかの子よりちょっと仲いいからってあんま調子のんなよ!?」


「きゃあ……っ!!」


 サエさんに勢いよく押されて、体育倉庫の壁に身体を打ち付けた。


 背中が鈍く痛んで、そのままずるずると地面に座り込んでしまった。


「宮下ちゃん、これで済むと思わないでね? これ以上痛い思いしたくなかったら、さっき言ったこと守ってね?」


 そう言うと、サエさんは私の前から立ち去った。