少しくらい痛い目にあったって、それもきっと先輩たちが卒業するまでの残り数か月だけだもん。
残りの時間、ちょっとでも佐伯先輩のことを見ていたいし、私のことを見てもらいたい。
今まで努力しないで逃げてきたけど、ここで弱気になっちゃだめだよね。
挑むつもりでサエさんをじっと見つめると、彼女は舌打ちをして顔を怒りで歪ませた。
「なに、アンタ。まさかあいつらのこと好きとか言わないよね?」
「す、好きです……っ! だから、関わらないとかできません!」
そう言うと、サエさんはさっきよりも目をつり上げた。
「アンタ、まじでうざいね。なんなの? ほかの子よりちょっと仲いいからってあんま調子のんなよ!?」
「きゃあ……っ!!」
サエさんに勢いよく押されて、体育倉庫の壁に身体を打ち付けた。
背中が鈍く痛んで、そのままずるずると地面に座り込んでしまった。
「宮下ちゃん、これで済むと思わないでね? これ以上痛い思いしたくなかったら、さっき言ったこと守ってね?」
そう言うと、サエさんは私の前から立ち去った。



