「せ、先輩たちとは、何の関係もないです。体育祭で、お世話になりましたけどっ」
やっとの思いで発した言葉は、自分でもびっくりするくらい震えていた。
それに対して、サエさんは眉間にしわを寄せて私をきつく睨んだ。
「それにしても、仲良すぎなんじゃないの? ほんとさあ、やめてくんないかなあ? 慶と恭也にもう関わらないでくれる? つーか、関わんなよ。関わったら痛い目見るよ?」
低い声で言うサエさんに、うなずきそうになる、けど……。
「い、いやです」
口をついて出たのは、拒否を表す言葉だった。
“わかりました、関わりません”、そう言えば丸く収まるのかもしれない。
だけど、なんでそんなことをサエさんに指図されなきゃいけないのか。
ミナミ先輩から忠告もされてたし、サエさんに関する良くない噂だって聞いたし、逆らうのが怖くないと言えば嘘になる。
だけど、もう1年半、佐伯先輩に片思いしてるんだよ。
頑張るって決めたんだよ。
ひょんなことから近づけるきっかけができて、最近では少しは仲良くなれているのかなって思ってたんだよ。
それに、佐伯先輩は春にいなくなっちゃう。
卒業しちゃうんだよ。
サエさんの言う痛い目、っていうのがなんなのかはわからないけど、そんな個人的な感情に左右されて、これから佐伯先輩との関わりが何もなくなっちゃうのは嫌だよ。



