しばらく待ってみても、誰も現れる気配がない。
冷たい風がスカートの裾を揺らした。
もう11月の中盤にさしかかって、ずいぶんと寒くなった。
外だって暗いし。
涼には先に帰っていいよって言っちゃったから、帰りは一人だし。
やっぱりサエさんのこと、凉たちに話しておくべきだったかな……。
「お待たせ、宮下ちゃん」
冷たくなった手をこすり合わせていると、ここに呼び出した本人がやっと来た。
「あれ……?」
サエさん一人?
よくこういう場面って、大勢で一人を囲むっていうシチュエーションだよね?
もしかして、茂みに隠れてるとか?
「宮下ちゃん、ほかには誰もいないよ」
周りをきょろきょろと見回す私の考えが読めたのか、サエさんはくすくすと笑い声をもらした。



