「今日も、か……」


 嵐の前の静けさって、こういうことだったんだ。


 私は今日も、自分の靴箱の前でため息をついている。


 なんでかというと、文化祭が終わってから毎日毎日同じ言葉が書かれた紙切れが1枚、私の靴箱の中に入っているから。


 飽きもせず、本当に毎日放り込まれている。


 それも今日で通算2週間目。


 初めてその紙を見たときは、恐怖しかなくて冷や汗が止まらなかった。


 パソコンで打ち出された機械的な文字の羅列は、手書きよりも、それこそ血文字よりも怖いとさえ感じた。


『調子に乗ってると、殺すよ?』


 もう見慣れてしまったこの不吉な紙切れ。


 原因はたぶんだけど、わかっているつもり。


 あの時のことが、きっと原因だと思う。


 それから、これを送りつけているのが誰かっていうのも予想がついてる。


 ーーー文化祭のとき。


 佐伯先輩と2人で話していたとき。


 それがきっと原因なんだ。