「やっばーい! 遅くなったー!」
スカートの短さが気になって裾をぐいぐいと下に引っ張っていると、後ろから最近よく聞いていた声が耳に飛び込んできた。
振り返ってみてみると、やっぱりその人は私の思っていた人と同じ。
「ミナミ先輩っ!」
「うっわ、亜希ちゃん!? 気づかなかった! めちゃくちゃかわいいねっ」
「あっ、ありがとうございます! ミナミ先輩もすごく似合ってますねっ」
うわあ、ミナミ先輩に褒めてもらっちゃったよ!?
そう言うミナミ先輩も、赤いはっぴが似合ってて素敵です……!
ありがと、って言ってはにかむ姿がすごく可愛いっ。
「ほらー! あんたたち、もうすぐ始まるっぽいから早く来なよー!」
「あー、うるせぇな。つーか、めんど」
「同じく」
ミナミ先輩がそう声をかけたあとに聞こえてきたのは、もう何度となく耳にしてきた音。
1つは少し掠れた気だるそうな声、そしてもう1つは甘くて低い、私の好きな人から発せられる響き。
幕の下がった内側にある、体育館とステージを繋ぐ階段の方から上ってきたのは慶ちゃん先輩、それと今日会おうとしていた佐伯先輩だった。



