体育館12:25~私のみる景色~


「……って、ん?」


 みーくん、なんか変なこと言わなかった?


「み、みーくん。私が佐伯先輩を、なんて言った?」


 ほら、ニヤニヤしながらこっちを見てくる。


 この顔は、わかってるんだ。


 私が佐伯先輩を好きなこと。


 なんで、どうして、いつ気がついたんだろう?


 そんな素振り見せてなかったつもりだし、凉たち以外にバレてないはずなのに。


「だから亜希、顔に出すぎ。すぐわかるって。バスケの時だって佐伯先輩ばっか見て、俺の方なんかちっとも見てなかっただろ?」


 そう言って少し寂しそうにみーくんが微笑むから、何とも言えなくなった。


 ずっと離ればなれだったけど、みーくんは私にとって大切で大好きな幼なじみ。


 いずれ話すつもりだったんだけど、内緒にしていたから傷つけちゃったのかな。


「ごめんね、内緒にしてて。話すつもりだったけど、恥ずかしかったんだよね。みーくんの言った通りね、私、先輩のことが……」


 “好きなの”と続けようとした私のくちびるに、みーくんの細くて長い指が押し当てられた。