「あーき? どこ行くの?」
こっそりと教室を出ようとしたとき、後ろから気持ち悪いほど優しい声がした。
「み、みーくんっ」
目が、目が笑ってないよっ?
「まだ15分残ってますけど? お嬢さんどこ行くんですかー?」
「うっ、えっと、そう、トイレ! トイレに行くの!」
「ふうん? あと15分しかないのに、待てないんだ?」
み、みーくんこわいっ!
たった15分早く抜けるだけなのに、こんなにしつこく迫る!?
「あのね? 大事な使命があるの! だから行かせて?」
首を傾げて、上目遣いで言ってみる。
前に純子が、こうすればたいていの人は言うこと聞いてくれるよって教えてくれたから。
だけど、みーくんには通用しなかった。
「誰に教えられたのか知らないけど、そんな可愛いことしてもダメ。俺にも大事な使命があるんですー」
そんなの、みーくんの使命なんて私関係なくないっ?
「行かせてよーっ!」
「とにかくダメだから。というか亜希、このカッコのままミスコンだから」



