体育館12:25~私のみる景色~


 高揚していた気持ちが一気にしぼんでいく。


 自分勝手だけど、気持ちをおさえられないや。


「……着替えたいので、佐伯先輩出て行ってもらってもいいですか? 凉、さらし解けないんだけど、とってくれる?」


 思っていたよりも冷たい声が出て、自分でもびっくりした。


 だけど、私以上に佐伯先輩と凉の方が驚いていたみたいだった。


 凉は戸惑いながら私に近づいてくるけど、佐伯先輩は無言でカーテンの外に出て行って、保健室から立ち去った。


 あーあ、私がこんなふうになるのは、間違ってるんだけどね。


 ただのヤキモチ。


 佐伯先輩の彼女でもなんでもない私が、こんな気持ちになるなんておかしいのに。


 でも、どうしてもガマンできなかった。


 今まで、こんなに感情をおさえられなかったことがあったかな?


 佐伯先輩を知るほど、近くにいるほど、自分でも想像できないくらいに好きになっていってたんだと思う。


 特にこの1か月、行動を共にしすぎたから。


 好きって、言ってしまいたい。


 誰にもとられたくなんかない。


 私だけを、見てほしい。


 だけど、勇気が出ないんだ。


 私はわがままで、欲張りで、ちっとも成長なんかしていない。


 こんなんじゃ好かれるどころか、嫌われちゃって当たり前かな。


 好きになってもらう努力も、できないまんまだし。