体育館12:25~私のみる景色~


「亜希、ごめーん! 教室閉まっちゃってて遅くなっ……」


 ドアが開け放たれる音と、ドサッと何かが落ちる音がした。


 もしかしなくても、凉だっ!


 というかいくら凉でも、この体勢はまずいよねっ!?


 そう思ってひとりで冷や汗をだらだら流していると、急に佐伯先輩が視界から消えた。


 どうやら凉にベッドの上から引きずりおろされたらしい。


「ちょっと佐伯先輩!? あたし先輩を信用してたのになんなんですか!? あたしの亜希に、何もしてないですよねっ!?」


 うわあ、凉がこんなに怒鳴るなんて初めてかも?


 佐伯先輩は片耳をふさいで顔をしかめている。


「あーもう、うるさいな。何もしてないよ。……今はね」


「今“は”!? それってどういうことですかっ! ふざけないでっ! 亜希! あんたはなんでまだ着替えてないの、バカ!」


 う、ううう。


 なんだかこっちにも飛び火が……。