体育館12:25~私のみる景色~


 そうだ、言うの忘れてたね。


「先輩? 体育祭優勝、おめでとうございます」


 こんな格好で、ベッドの上で言うのもあれなんだけど、1番に伝えたかった。


 起き上がりかけていた佐伯先輩は、そのままぴたりと停止した。


 そうだ、これで放課後一緒にいることはもうないんだ。


 今日が終わってしまえば、また見ることができるのはお昼休みだけになる。


 でも、それが普通のことで、この1か月が特殊だっただけなんだ。


 寂しい、もっと先輩を知りたい。


 もっと体育祭が先だったらよかったのにね。


 ぐっと涙を飲み込んで、精一杯の笑みを浮かべたつもり。


 だけどたぶん、すごく可愛くない顔をしてるんだろうなあ。


 元々可愛い顔なんてしていないけれど。