体育館12:25~私のみる景色~


 あぁ、もうだめだ。


 ズルッとシーツの上についていた手が滑った。


 倒れる、倒れるーっ!


 次にくる衝撃に備えようと、ぎゅっと目をつぶった。


「うわぁっ!」


 ベッドのスプリングで身体が跳ねて、背中から飛び込むようにベッドに戻った。


 想像していたより衝撃は少なくて、固く閉じていた目を開いた。


「危な……」


「っ……!」


 なんでなんで、こんなことにっ?


 きっと私が倒れたとき、佐伯先輩も私につられるようにして倒れたんだ。


 私の顔面すれすれに、佐伯先輩のきれいに整った顔がある。


 ひじをついているからそれほど体重はかかっていないけれど、これは端から見たら佐伯先輩が私を押し倒してる図だよっ。