体育館12:25~私のみる景色~


「宮下さん……っ!?」


「ええっ!?」


 その時、保健室には誰もいないと思っていたのに私を呼ぶ声が聞こえて、次の瞬間には勢いよくカーテンが開かれた。


「あ……」


 その人と、声が重なった。


 それよりも、なんで、この人がここにいるの?


「さ、佐伯先輩……っ?」


 焦ったような顔の後、ベッドの上に座り込む私を見て呆然とした表情で固まった。


 ドアが開く音も、近付く足音も聞こえなかったから、私はどれだけさらしを解くのに熱中してたんだって話だよね。


「佐伯先輩っ? なんでここに……っ」


 言いかけたとき、ガバッと佐伯先輩に抱きつかれた。


 なっ、なにが起きてるの?


 身体中全部が心臓になったみたいに、ドクドクと熱く脈打つ。


 この間背中から抱き締められたときよりも、ずっと近くに感じる体温。


 佐伯先輩の男らしい腕が腰と背中にきつく回っていて、少し冷たくなっていた私の肌は温かいそれを敏感にキャッチする。


 この心臓の音、絶対に聞こえちゃってる……。