ハンドスプリング、ロンダート、そしてバク転。
離れていた2人がぶつかるギリギリのところで、すれ違うようにきれいに宙返りを決めた。
流れるような動き、きれいだけど力強さもあって、すごくかっこいい……!
それに息もぴったり、着地も同時だった。
2人は制服だったんだけど、よくそんな服でできたなあって思う。
息をのむ音も聞こえそうなくらいに静まり返ったこの場所で、聞こえるのは佐伯先輩と慶ちゃん先輩の息遣いだけだった。
「……まあ、こんな感じにしたい予定」
一息ついて、慶ちゃん先輩がそう言った。
「やばい! すっごいかっこよかった!」
「ちょっと待て、俺らあんなきれいにできねえよ……」
いろんな意見が飛び交っている。
佐伯先輩と慶ちゃん先輩を賞賛する声が大きいけど、それと同じくらいに弱気な発言も聞こえてくる。
それはそうだよ、こんなに完成度の高い技を見せられたら、 弱気にもなる。
実際私も不安だし、経験のある私がそう思うんだから、ほかの人はもっと不安だろうな……。



