「あはは! そんな百面相しなくても大丈夫だってー!」
うぅ、そんなに表情に出てたかな……?
だけど、大きく口を開けて笑うその姿に、ほんの少しだけ安心した。
「心配しなくていーよ? 確かにあいつらの熱狂的なファンは多いけど、 赤団の3年リーダーメンバーの中にそんなのいないから。いじめとか、そんなのさせないから安心して?」
女子の嫉妬は怖いよねー、なんて言って私より少し背が高い先輩は、頭をぽんぽんとなでてくれた。
「……だけど、サエには気をつけて」
一気に顔を険しくしたミナミ先輩が、声を低くしてそう言った。
サエ?
サエって誰だろう。
首を傾げると、肩をガシッとつかまれ、顔を近づけられた。
「サエは、緑の団長だよ。ほんっとうに気をつけて?」
うそ、あのきれいな人が?
人懐っこそうに、笑顔で手を振ってたのに?
「なにかあるんですか……?」
恐る恐る聞いてみると、ミナミ先輩は深いため息をついた。
「あいつらに対する“暗黙のルール”ってやつ? それ作ったのほとんどサエなんだよ。まあ、そう仕向けたって言うのかな」



