体育館12:25~私のみる景色~


「あはは! そんな百面相しなくても大丈夫だってー!」


 うぅ、そんなに表情に出てたかな……?


 だけど、大きく口を開けて笑うその姿に、ほんの少しだけ安心した。


「心配しなくていーよ? 確かにあいつらの熱狂的なファンは多いけど、 赤団の3年リーダーメンバーの中にそんなのいないから。いじめとか、そんなのさせないから安心して?」


 女子の嫉妬は怖いよねー、なんて言って私より少し背が高い先輩は、頭をぽんぽんとなでてくれた。


「……だけど、サエには気をつけて」


 一気に顔を険しくしたミナミ先輩が、声を低くしてそう言った。


 サエ?


 サエって誰だろう。


 首を傾げると、肩をガシッとつかまれ、顔を近づけられた。


「サエは、緑の団長だよ。ほんっとうに気をつけて?」


 うそ、あのきれいな人が?


 人懐っこそうに、笑顔で手を振ってたのに?


「なにかあるんですか……?」


 恐る恐る聞いてみると、ミナミ先輩は深いため息をついた。


「あいつらに対する“暗黙のルール”ってやつ? それ作ったのほとんどサエなんだよ。まあ、そう仕向けたって言うのかな」