涼たちは手を振って先に帰っちゃった。
いつの間にか教室に残っているのは、私とみーくん、ミナミ先輩に慶ちゃん先輩、そして佐伯先輩だけになっていた。
早く帰らないと、3人の邪魔になっちゃうよねっ。
「じゃあ、先輩、お疲れさまです! お先に失礼します……」
「ちょーっと待って。亜希ちゃんだよね?」
「はいっ、亜希ですけど! ミナミ先輩、これからよろしくお願いしますっ」
うひゃあ、最初から思ってたんだけど、ミナミ先輩ってきれいだよねっ。
栗色のショートボブがすごく似合っててかわいい!
フレンドリーだし、優しいし、近づかれると女の人なのになんだか緊張しちゃうっ。
それにフローラルな香りがして、ミナミ先輩にぴったりな匂いだなと思った。
「名前覚えてくれてありがとー! あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。あいつらと知り合いだった?」
ぱあっと明るい笑顔で言った後、うるさそうに顔をしかめたミナミ先輩が指をさしたのは、慶ちゃん先輩をからかってるらしいみーくん、それをめんどくさそうに眺めている佐伯先輩たちの方。
えっと、もしかしてこれって、最初に教室入ったときに、先輩たちが私の名前を呼んだことを気にしているのかな……?
ミナミ先輩、どっちかのことが好きとか?
も、もしや佐伯先輩が好きなのはミナミ先輩で、もう付き合ってるから手を出すなよ、とか?
でも、ミナミ先輩はそんなこと言わないか。
なんだろう、だけどいやな考えが頭の中を支配してる。



