体育館12:25~私のみる景色~


 涼たちは手を振って先に帰っちゃった。


 いつの間にか教室に残っているのは、私とみーくん、ミナミ先輩に慶ちゃん先輩、そして佐伯先輩だけになっていた。


 早く帰らないと、3人の邪魔になっちゃうよねっ。


「じゃあ、先輩、お疲れさまです! お先に失礼します……」


「ちょーっと待って。亜希ちゃんだよね?」


「はいっ、亜希ですけど! ミナミ先輩、これからよろしくお願いしますっ」


 うひゃあ、最初から思ってたんだけど、ミナミ先輩ってきれいだよねっ。


 栗色のショートボブがすごく似合っててかわいい!


 フレンドリーだし、優しいし、近づかれると女の人なのになんだか緊張しちゃうっ。


 それにフローラルな香りがして、ミナミ先輩にぴったりな匂いだなと思った。


「名前覚えてくれてありがとー! あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。あいつらと知り合いだった?」


 ぱあっと明るい笑顔で言った後、うるさそうに顔をしかめたミナミ先輩が指をさしたのは、慶ちゃん先輩をからかってるらしいみーくん、それをめんどくさそうに眺めている佐伯先輩たちの方。


 えっと、もしかしてこれって、最初に教室入ったときに、先輩たちが私の名前を呼んだことを気にしているのかな……?


 ミナミ先輩、どっちかのことが好きとか?


 も、もしや佐伯先輩が好きなのはミナミ先輩で、もう付き合ってるから手を出すなよ、とか?


 でも、ミナミ先輩はそんなこと言わないか。


 なんだろう、だけどいやな考えが頭の中を支配してる。