泣き続けて、何があったのかも話そうとしないこんな私なのに、涼たちは心配して頭や背中をなでてくれる。
本当に、優しすぎるよね。
「みんなありがと。ちょっとトイレ行ってくるね!」
慰められて、少し元気が出た。
涙も止まってきた。
それに教室で泣くのも目立つし、まぶたも冷やしたいしね。
トイレに落としたらイヤだから、ポケットに入れておいたケータイを机の上に置いて、まだ心配そうに私を見る涼たちに笑って手を振ってから、教室を出た。
トイレにある鏡をのぞき込むと、やっぱり両目が腫れていた。
赤く充血して、明らかに泣いてたってわかるような顔。
黒猫がプリントされた、ピンク色のお気に入りのハンカチを取り出して、水に浸した。
……そういえば、私がこけた時、あざを佐伯先輩がハンカチで冷やしてくれて、傷の汚れを落としてくれたんだよね。



