体育館12:25~私のみる景色~


 あー、なんかヤバいかも。


 泣きそうかもしれない。


 佐伯先輩が私をあんな目で見ていたなんて、被害妄想であってほしいと思う。


 だけど、たぶん現実なんだよね。


 今までこうやってバスケを見ていて、佐伯先輩がギャラリーに目を向けることなんて一度もなかった。


 たまたま、偶然、私と目が合っただけだなんて都合のいいことはあるわけない。


 あれは、佐伯先輩が自分の意思で私を見て、氷のような視線で射抜いたんだ……。


 私が佐伯先輩に何かしたのか、考えてみても原因なんてわからない。


 今日はもう、早めに教室に戻ろうかな……。


 先輩たちが駆けているコートに背を向けて、たくさんの女の子の間をくぐり抜け、涼たちの元へ向かった。