あー、なんかヤバいかも。
泣きそうかもしれない。
佐伯先輩が私をあんな目で見ていたなんて、被害妄想であってほしいと思う。
だけど、たぶん現実なんだよね。
今までこうやってバスケを見ていて、佐伯先輩がギャラリーに目を向けることなんて一度もなかった。
たまたま、偶然、私と目が合っただけだなんて都合のいいことはあるわけない。
あれは、佐伯先輩が自分の意思で私を見て、氷のような視線で射抜いたんだ……。
私が佐伯先輩に何かしたのか、考えてみても原因なんてわからない。
今日はもう、早めに教室に戻ろうかな……。
先輩たちが駆けているコートに背を向けて、たくさんの女の子の間をくぐり抜け、涼たちの元へ向かった。



