体育館12:25~私のみる景色~


「ね、亜希。俺まだ教科書ないから見せて?」


 私の返事を聞く前に、みーくんはガタガタと机を動かして、私の机にぴったりとくっつけてしまった。


 ああもう、女の子の視線が突き刺さるよ。


 見られすぎて、全身焦げ付きそう。


 というか、今日1日こんな状態が続くんだよね?


 私の身体、最後まで保つのかな……。


「ねえ。亜希ってあの人たちだけじゃなくて、クラスの奴らにも人気あるんだね?」


「え? なにが?」


 隣りのみーくんは頬杖をついて、私だけに聞こえるような小さな声でつぶやいた。


 顔は黒板の方に向いていて、授業はしっかり聞いてますって主張しているように見えた。


 というか、みーくんの言っている意味がよくわからない。


 『あの人たち』って誰のこと?


 クラスの人に人気あるのは、私じゃなくてみーくんだと思うんだけどなあ。