い、今さらですか?
だけど、話せて嬉しい。
ゆるゆると頭をなでられる度に、体温が上がっていく気がする。
久しぶりに会う佐伯先輩は、なんだか夏休みの間にとんでもなく甘くなったんじゃないかって、錯覚しそうになる。
「お久しぶりです。元気にしてました?」
「おかげさまで。勉強もはかどってるよ」
花がほころぶような笑顔を見せられて、ずっとメールできなかった不満も寂しさも一瞬で消えてしまった。
我ながら単純だと思うけど。
だいたい、メールがこないのって当たり前だよね。
彼女でもなんでもない、ほんのちょっとした偶然で仲良くしてもらってるだけの、ただの後輩なんだから。
不満や寂しさを感じること自体がおかしいんだよね。
そういえば、佐伯先輩はなんでここにいるんだろう?
ここのエプロンつけてるってことは、きっとバイトなんだろうけれど。
私の学校は、進路が決まった人か家庭の事情がある人しかバイトしてはいけないって校則がある。
先生方が認定してくれないとダメだし、もし内緒でバイトしてるのがバレたら注意されてバイトをやめなくちゃいけなくなる。
佐伯先輩は、どうしてバイトしてるんだろう?



