体育館12:25~私のみる景色~


 男の子よりも花の名前を知らないって、女子力低いかな?


 不安になるけど、土に混ざって倒れる花をみていたら、そんな思いはどこかに行っちゃった。


 そうなのか、この赤くて可愛いお花はゼラニウムっていうんだね。


 横たわる姿は儚げだけど、きちんと植えれば見違えるだろうなあ。


「亜希、これは俺と恭也で買ってやる。恭也、いいよな?」


「ああ、俺が割ったんだし俺だけが払ってもいいけど?」


「黙れ、割り勘だから」


 んーと、なんだか言い争ってるけど、お金はちゃんと払いたいなあ。


 なんだか悪いし。


「あの、私払うから大丈夫ですよ?」


「いいんだよ、傷んだやつ引き取ってくれるだけでありがてえから」


 家に花は腐るほどあるしな、なんて慶ちゃん先輩はお代をタダにしてくれた。


 な、なんだか逆に悪かったんじゃないかなって思うけど、ありがたくもらうことにした。


「佐伯先輩も、なんだか逆にすみません。払ってもらっちゃって」


「いや、俺が落としたのが悪いから。2人とも悪かったな」