体育館12:25~私のみる景色~


「え、でもこれ俺が落として傷めちゃったし、長く咲かないかもしれないよ」


 申しわけなさそうに、佐伯先輩が呟いた。


 そうだそうだ、佐伯先輩もいたんだった!


 あ、ピンクのエプロンやっぱり似合ってる。


 慶ちゃん先輩よりはるかにマッチしてる。


 お花はかわいそうだけど、そんな顔をしなくても手入れすれば大丈夫なんじゃないかな?


「大丈夫ですよ? ねえ、慶ちゃん先輩、このお花はなんていうお花なのかな?」


 家業継ぐっていうくらいだから、お花にも詳しいだろうなって思って聞いたのに、苦い顔をして明後日の方を向かれた。


 なるほど、まだお花についてはお勉強中なのかな?


「ゼラニウムだよ、それ」


「え?」


 見かねた佐伯先輩が、そう答えてくれた。


 花の名前、知ってるんだ。