体育館12:25~私のみる景色~


 にやっとイタズラな笑みを浮かべて、男の人はそう言った。


 “あーちゃん”って、私のあだ名だ。


 海ちゃんだけが呼んでいた、私の愛称。


 ……ということは、本当にこの男の人は海ちゃんなの?


「え、っと。う、海ちゃんなの……?」


「せーかい!」


 満面の笑みでわしわしと私の頭を乱暴になでるその人は、たしかに自分を“海”だと言った。


 でも、海ちゃんって女の子だよね?


 お母さんも海ちゃんなんて、女の子のように呼んでるし。


「あの、海ちゃんって整形か何かしたの? せ、性転換?」


 それとも、ちょっと男らしく成長しちゃっただけなのかな?


 でも、どこからどう見ても男の人にしか見えない。