にやっとイタズラな笑みを浮かべて、男の人はそう言った。
“あーちゃん”って、私のあだ名だ。
海ちゃんだけが呼んでいた、私の愛称。
……ということは、本当にこの男の人は海ちゃんなの?
「え、っと。う、海ちゃんなの……?」
「せーかい!」
満面の笑みでわしわしと私の頭を乱暴になでるその人は、たしかに自分を“海”だと言った。
でも、海ちゃんって女の子だよね?
お母さんも海ちゃんなんて、女の子のように呼んでるし。
「あの、海ちゃんって整形か何かしたの? せ、性転換?」
それとも、ちょっと男らしく成長しちゃっただけなのかな?
でも、どこからどう見ても男の人にしか見えない。



