それをちゃんとキャッチした佐伯先輩、さすがです。
にしても、そんな走ってくることもないのに。
7月の廊下は熱がこもって、歩くだけでも蒸し暑い。
走ったら汗かくよ、そりゃあ。
慶ちゃん先輩は走って疲れたのか、さっきと同じ場所に同じかっこうでだらっと机にふせている。
「さんきゅ」
佐伯先輩はそう言って、手におさまっているくしゃっとしたハンカチをパンっと広げて手のひらサイズにたたんでいる。
ハンカチ、どうするんだろ?
涼むためにおでこに乗せるのかな?
んー、冷たくて気持ちよさそうだなあ。
「んじゃ、たぶんちょっとしみるけどガマンしてね?」
「え、え?」
何のことかと思っていたんだけど、怪我をしたひざにヒヤッと冷たい感触がして、さっきのハンカチを当てられたんだってわかった。



